漫画の世界が実現する?
「不老長寿」なんて、まるで漫画の世界のような話です。
しかし、最近の科学の世界では、「不老長寿」の実現は、すでに視界の中にはいってきていると言われています。
不老長寿を実現するための技術として、NMNサプリやインスリン抑制のメトホルミン、そしてオートファジーなどが研究されています。
本書では、その中でもオートファジーについて書かれたものになります。
オートファジーとは、もともと私たちの体に備わっている、細胞のリフレッシュ機能です。このオートファジーによって、細胞内に侵入した細菌やウイルスを退治したり、細胞内にできた不要なたんぱく質を除去したりしているのだそうです。
私たちの体は、30兆以上の細胞からできています。もしその細胞一つ一つをきれいな状態で保てるようになれば、私たちの体は、健康でいられるはず。
そして、おそらく若々しさも維持することが出来るようになるはずと考えているわけです。
本書は、その健康と若さを手に入れるために、細胞をきれいにする機能であるオートファジーを活性化させようというのが目的になっています。
不老長寿の食事?
本書では、不老長寿を実現するための食事法が紹介されています。
ただ、この本を読んでいると矛盾しているように感じるのが、オートファジーは飢餓状態の時に活性化するという話です。
食事をしない方がオートファジーが活性化するのに、毎日3食食べることが不老長寿に効果的だと言っていることに疑問を感じました。
確かに、オートファジーを活性化するための食事制限とは、食事の間を長くとったり、3食を2食に変えたりすることではなく、カロリー制限だということはよく言われています。つまり、大雑把に言えば食事量させ減らせばオートファジーは活性化するというわけです。
なのに、食べることが前提で本を書いているという所に、なんとなく疑問を感じました。
オートファジーを活性化させる食べ物があり、その食品とそれをつかったレシピが紹介されていましたが。
「エビデンス」と言いながら、食事を減らす効果と、オートファジーを活性化する食事をした際の効果の差などについては一切触れていません。
正直、いまいち説得力に欠けるような印象もありましたが、オートファジーを活性化する食品というのには、ちょっと興味もあったりします。
もしかすると、その辺から興味を持たせることが、この本の目的だったのかもしれません。
食べればいいのか、食べない方が良いのか、さっぱりわからない話のようにも感じましたが、オートファジーというものについての話は、分かりやすく書かれていて良かったです。