ルールNo.1投資法 フィル タウン(著)

ルールは、できるだけシンプルなものが良い。

本書の株式投資のルールも、実践的にはシンプルなものになっていると言えます。

投資の基本となるものは、4つ。

①優良企業を見つける。

②企業価値を算出する。

③半値の時に買う。

④大富豪になるまでそれを繰り返す。

具体的には、ビッグ・ファイブ(投下資本利益率(ROIC)、売上高伸び率、EPS(一株当たり利益)の伸び率、一株当たり純資産伸び率、フリーキャッシュフロー伸び率)を調べて投資する銘柄を選び。

その選んだ企業の定価を、EPS(一株当たり利益)やPERなどから算出し、その算出した定価よりも株価が安い(半値)時に買う。

あとは、買ったら売らないことが理想だが、投資した企業が優良企業でなくなった時や、株価が定価を上回った時には売ることもある。

そしてそれを繰り返す。

これが株式投資で、『安全にお金を増やすためのルール』という事でした。

ルールNo.1投資の中にあるバフェットの影

世界的な企業バークシャーハサウェイを経営し、投資の神様とも言われる、偉大な投資家ウォーレン・バフェット。

この本のルールNo.1投資法は、バフェットの投資の影響を受けているように感じました。

堀を持っている優良企業であることや、安全域を意識して十分に割安になった価格でなければ買わないなど、バフェットの投資法を解説している本を読めば、必ずと言っていいほど出てくる文言が、この本でもたびたび登場してきます。

ルールNo.1投資法は、バフェット流の投資法を、個人投資家向けにシンプルにまとめた投資のルールと言えるのかもしれません。

しかも、バフェットにもまねできない、個人投資家ならではの作戦も盛り込まれていました。

機関投資家やバフェットといった膨大な資金を動かす投資家たちは、この金融市場の主要なメンバーとなっています。

投資で使う資金量が大きすぎるがために、自分(機関投資家)が動くことで、市場を動かしてしまう事がある。特に時価総額の小さい銘柄などは、ちょっと売買を行っただけで、価格が大きく変動してしまうこともあります。

そのため、機敏な動きが出来ないことがある。

資金量の小さい、私たち個人投資家は、そこを利用することができる。そのための作戦も本書では解説しています。

機関投資家が動いたら、価格は動く。だから機関投資家たちが動いたことを確認して、売買を行う。

バフェット流の投資の原則と、安く買って高く売るを機動的に行う、機関投資家の動きを利用した売買戦略。

ルールNo.1投資法は、2重3重の手で、株式市場で安全にお金を儲けるための戦略として考えられているようです。