証券口座を開設する意味?
資産運用を始めようと思った時に、まず最初にすることが、証券口座の開設ではないでしょうか?
証券口座と言っても、店舗がある対面型の証券口座や、インターネットだけで取引が終わるネット証券がありますが、今では多くの人がネット証券で口座を開設することが多いようです。
ネット証券の良さは、なんといっても取引手数料の安さです。他にも投資信託など多くの金融商品を低コストで利用できるところもあります。
証券会社の口座を開設すると、株式や投資信託、債券といった、いろんな投資商品へのアプローチが可能になります。投資を始めるなら、まずは証券会社に口座を作ることからはじまります。
証券口座は一つで十分?
非課税制度のNISAをフルに活用するなら、証券口座は1つで十分だと思われます。
NISAは一人一つの口座でしか作れません。なので、複数の口座を持っていても、税務上のメリットはほとんどありません。
また、複数の口座を持つと、一つの口座で利益が出て、もう一つの口座では損失がでた年があると、その年は確定申告をしなければ、不必要な税金を支払うことになりかねません。
税務上の管理をするという意味では、一つの口座で取引することがベストなのかもしれません。
また最近では、一つの証券口座で、株式から債券、投資信託、信用取引やオプション、先物、CFDといった、本当に様々な投資商品に投資ができるようになっていることも多く、複数の口座を利用する必要はないという意見もあります。
投資の管理のしやすさは、複数口座がベストだと感じる。
複数の口座をつかって投資をすると、そのうちの一つの口座以外はNISAが使えなくなったり、毎年確定申告をしたりと、いろいろと不便も生じるものです。
ですが、投資を管理するという目的では、複数の口座を持つことがおすすめだと感じています。
投資戦略の一つに、コアサテライトと呼ばれる方法があります。
コアサテライトとは、主(コア)となる資産と、それ以外のサテライトに分けて運用するイメージで、主にコアとして運用する部分は、安定運用の投資が行われることが多くなっており、対して、サテライトの部分は、収益重視のアクティブな運用を行うことが多いです。
運用資産の大部分は安定運用のコアで運用しつつ、収益力アップのために、高リスクな積極投資をサテライトとして少し組み合わせるイメージです。
このコアサテライトの運用を、一つの口座で行うこともできなくもありませんが、実は管理が大変になります。
一つの口座で長く運用を行っていると、当初の資産配分から大きく変わってきてしまい、何がコアでどれがサテライトなのか、明確な線引きが難しくなってきます。
また、一つの口座で管理していると、高リスクのサテライトの運用で損した分を補填するために、いつの間にかコア部分を取り崩してしまったりすることも多く。
どの運用がどんなパフォーマンスで行われているのか、分からなくなってしまうこともあります。
そうならないためには、複数の口座で、それぞれコアとサテライト、もしくは追加でサテライト2など、投資する目的ごとに口座を分けた方が管理がしやすくなります。
コアサテライト運用は必要なのか?
そもそもコアサテライト運用をすることは理にかなっているのかという問題もあるかと思います。
株式投資をするのなら、インデックスファンドで十分という話もよくわかります。インデックスファンドを使って、株や債券など各種の資産に配分しながら運用を行う投資の仕方が、もっとも効率的という話ももっともな話です。
つまりは、積極的なリターンを狙うサテライト運用は不要という話があるわけです。
しかし、投資をしていて、理論通りインデックスファンドとアセットアロケーションだけで運用ができるというのは、机の上だけの理論だとも感じています。
私たち人には、『欲』や『恐怖』というものがあります。
実際に儲かり始めれば、「もっと」という気持ちが湧いてきますし、また損し始めると、「もうやめたい」という気持ちになったりもします。
理論通りの運用だけで、気持ちのブレもなく、長く続けていくことが出来れば、それが理想です。
投資というのは、基本的には長期投資というスタンスが正しいというのは、理屈としても、また実体験としても間違いないと感じています。
そのため、サテライトはともかく、コアの運用だけは、長期投資を続けられるようにしなければなりません。
つまり、サテライトというのは、投資をする中での『欲』や『恐怖』などの心の問題に対する保険、車のハンドルで言う所の遊びのようなものとして機能すると感じています。
それに、うまくいけばサテライト運用で、コアを上回る大きな利益を生み出すこともあり、期待感があるものであったり、投資を楽しむための部分でもあると思っています。
理論や理屈だけで言うのなら、サテライト運用はいらないものなのかもしれません。ですが、実際に資産運用で成功している人の多くは、コアサテライト運用のような方法で運用しているというのが実態なのではないでしょうか?