投資の考え方に納得。

この本のタイトルにもあるように、この本の投資の考え方には、『経済にはサイクルがある』という発想から始まっています。

そしてそのサイクルをできる限り自分の投資戦略に絡めていこうという姿勢。有名な投資家ハワード・マークスが書いた投資の名著、『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』を思い出します。

株式投資を行う上で、合理的な投資戦略は絶対に必要だと著者は言っています。「戦略なき株式投資は、やる前から敗北者になることがほぼ必定である」書いてありました。

この意見には全くもってその通りだと思っています。

戦略という言葉の意味が少しわかりにくい気もしますが、投資の考え方、自分がどういう投資家で、何を基準に物事を判断するのか、そういったものが定まっていなければ、どんなに実績がある方法でもも、研究などでわかった合理的な説明ができる方法であっても、実際にその投資が上手く行くという確率はとても低くなると感じています。

そして、この本が推奨している投資戦略は、低位バリュー株への投資となっています。

またバリューの判定では、低PBR銘柄を狙うという方法を提示しています。

低PBRというと、解散価値ともいわれる考え方で、儲けようというよりも、極力損しないという発想で銘柄を探す投資戦略だと言われています。

また、それとともに高配当を狙うということもありました。

相場はいいときばかりではなく、悪いときも当然あります。そして投資で成功を掴むためには、その悪い時でも株式市場に参加し続けなければいけません。

悪い時でも株式市場に参加し続けるためには、やはり株式市場に参加するだけの意味を見出さないといけません。経験者ならわかりますが、悪い時でも株式市場に居続けるというのは、結構つらいものがあり、頭でわかっていても心が折れそうになっるものです。

そこで、配当金というわかりやすいリターンを受け取れることで、心の支えになることもあるものです。

農耕民族型投資戦略とっそくりのダウの犬投資戦略?

実際にNYダウ以上(インデックス以上)の効果があると言われている、「ダウの犬」投資戦略。

この「ダウの犬」は、単純に言えばNYダウ銘柄の中で高配当のものを選び出すといった戦略です。そして、その高配当のものから『低位株』を選択するというのも一緒です。

よく株式投資をする際に、ビジネスの仕組みや業界での立ち位置などを重要視しているかのような解説をする人がいますが、実際にはそんなことはそれほど重要なことではないものです。

はっきり言って、株式投資のパフォーマンスにとっては、事業内容や事業規模といったものは、ほとんど好みだけの問題だと言えます。

結論から言えば、この本の内容は、とても納得がいく腑に落ちた内容でした。

今の私の投資手法に影響を与えている一冊かもしれません。

決して難しいことを言っているわけでもなく、あまり難しく考えなくても、常識的な考え方だけでも株式投資には十分に通用するんだなと改めて思いました。