何に投資先をするかは、問題じゃない!

投資や資産運用で儲けるコツといえば、「良い投資先を見つける事」だと思っている人が多い。

投資や資産運用の相談を受けると、「何に投資をしたらいいのでしょうか?」という質問をされることがとても多い。

「日本株のインデックスファンドはどうですか?」と問いかけてみると、「日本はこれから衰退していくのではないでしょうか? アメリカの方がいいと思うんですけど?」なんてことを言ってきたりする。

日本よりもアメリカの方が投資先として優良だという判断なのでしょう。

確かにその考えは間違っていないのかもしれない。でも、実際には日本株だけに投資をしている人の中にだって十分なリターンを稼いでいる人がいるものです。

アメリカよりも魅力に劣る日本株。でも、だからといって「日本株じゃ決して儲からないという事は絶対にない。」と言い切ってもいいぐらいだと思っている。

本当に重要なことは、『何に投資をするか』じゃなくて、『どうやって投資をするか』なのだと考えています。

逆に言えば、どうやって投資をするかが定まっていないことで、優良な投資先に投資をしたはずなのに、結局儲からないなんてこともあるものです。

投資や資産運用では、「何に」よりも「どうやって」の方がはるかに重要なのですが、そのことに気づいている人は、意外にも少ないようです。

良い投資先と、良い利回りは一緒じゃない。

「良い投資先に投資をすれば、良い利回りが得られる」と勘違いしている人は多い。

実は、良い投資先と、良い利回りは、イコールではありません。

多くの場合、良い投資先というのは、みんなに人気があるので、すでに高値になっていることが多いものです。

反面、悪い投資先は、あまり人気がないので、価格が安くて、結果的に高い利回りになることもある。

つまりは、良い利回りを得るには、『質』よりも『価格』に目を向けることが重要だということです。

人気のある高いものを買うよりも、人気のない安いものを買う方が、リターンが大きくなることがあるものです。

投資で高パフォーマンスを上げるコツは、『良い投資先』であるだけでなく、『良い投資先が、安くなっている』ことがポイントなのです。

もっと言えば、『価格』さえ妥当であれば、『投資先の良し悪しにこだわらなくても』、十分なリターンが得られることもある。そして、実際に質より価格のそういう投資の仕方をする著名投資家はたくさんいます。

投資のパフォーマンスには、まず『価格』が重要なのであって、『質』の話はその後だと思っています。

「アメリカは世界経済の中心です。アメリカに投資をしましょう。」

「アメリカの株式市場は、昔から右肩上がりで推移している。そしてこれからもその流れはつづくことでしょう。」

このような話を投資の現場でよく耳にします。

しかし、この話の中では『価格』については全く触れられてはいない。

アメリカが良さそうだというのは、なんとなく感じていても、高い値段で買ってしまえば、その後のリターンは小さくなるものです。

投資の話というのは、「確かにアメリカはまだまだ成長が続きそうだけど、今の価格は十分な利回りが期待できる妥当な水準なのだろうか?」というように考えるのが、正しい見方です。

『価格』を無視して高値で買ってしまうと、その投資先がたとえ優良なものであったとしても、その投資は低利回りの投資となる可能性が高いものです。

「良いものは高い。高いから利回りは小さい。」そういうものです。

投資の仕方を学ぶ必要がある。

良い投資先を探すというのは、そんなに難しいことではない。

魅力のある投資先というのは、人気があり、みんなが知っているからです。また、証券会社や銀行、FPなど投資商品を販売する人たちからも、真っ先にお勧めされる。

良いものはだいたいわかっているし、みんな知っている。特別な洞察力やいろんな知識なんてものがなくたって、良いか悪いかは判断できる。

重要なことは、投資先か良いか悪いかよりも、それが良い利回りが期待できる投資なのかどうかです。

それを判断できるようになるためには、投資先とその価格について、それなりの基準を持っていないとできないものです。

それに、普遍的な投資の基準を持っていると、アメリカ株だろうが日本株であろうが、似たようなものを取り扱う分には、その基準に照らし合わせて、それなりにうまく投資できることも多いものです。

方法が身につけていれば、投資先がよほど悪い分野(そもそもリターンを産まない)のものじゃなければ、本当になんにでも対応できる。どの分野に投資をしてもそれなりにリターンは期待できる。

大切なのは、「何を買うか」じゃなく、「良いものを安く買うためにはどうしたらいいのだろうか?」と考えること。

正しい投資判断を下せるようになるために、『どうすれば』というところにもっと目を向けてみることをお勧めします。