ちょっとの変化で大きな違い。
『ラテ・ファクター』、コーヒー1杯ぐらいの変化が、大きな違いになってくるという物語。
仕事前に毎日飲んでいるコーヒー1杯。1日500円程度のものであっても、その総額は、月に換算すると約10,000円。年間12万円もの違いになってくる。
そして、その違い(年12万円)を賢く運用したら、今度はどうなるのか。
なんと、コーヒー1杯の違いが、10年後には200万円にもなる。(本書で使われている年10%の利回りで計算)
ちょっとの違いで、小さな夢程度なら難なく手に入れられるような力にもなってくる。
何にお金を使うのか、自分の本当にやりたいと思っていることか、それとも今すぐ手に入る小さな幸せか(コーヒー1杯)。
その考え方、そのお金の使い分けの違いが、将来大きな違いになってくる。
私たち人間は、人生100年と言われるほど、長生きするようになりました。
昔のように幼くして亡くなるという危険性も、とても小さくなりました。
「明日死ぬかもしれない」という時代であれば、将来のためよりも、今の小さな幸せを選ぶ方が賢明なのだと思う。だけど、今私たちが生きている時代というのは、どうやらそうではないらしい。
今の幸せを手に入れることよりも、将来の幸せを考えられなければ、生きにくくなってしまう時代になってきた。ちょっと昔の時代より、今は、『将来のためを考えること』がとても重い意味を持ってきていると感じています。
将来のために必要なこと、それが『貯蓄』。
「明日死ぬかもしれない」という、今を生きる時代であれば、貯蓄はいらなかった。稼いだものはすべて使っても問題なかった。
今の時代は、稼ぐことをやめてから死ぬまでの時間がとても長い。将来に、とてもお金がかかる時代になってきた。
そのため、『貯蓄ができない』ということが、致命的に悪い結果へつながる時代に変わってきたように感じています。
『貯蓄をするために必要なことってなんだろう?』
それが、この本の物語の中心なのだと感じました。
資産を作る秘訣はそんなに難しい話ではない。
資産を作る秘訣というのは、そんなに難しい話ではありません。
原理原則、誰が聞いてもそれが間違いだなんて思わない方法です。
①貯金する。②仕組み化する。③習慣化する。
資産を作るには、まず先立つものを貯めなければ始まらない。つまりは貯蓄。本書で言うところの『自分に払う』というものです。
そして『自分に払う』ための方法は、できるだけ自動化させる。
本書では401K(確定拠出型年金制度)などを利用することをおすすめしていますが、貯金額を自動引落にするなど、意識しなくても自動で貯金が行える仕組みを作ることと言っています。
さらに、その貯金の仕組みが継続できるように、貯金が習慣になるようにする。
ラテ・ファクターのように、毎日何気なくお金を使ってしまっているという習慣から、本当に必要なもの以外にはほとんどお金を使わなくなる習慣。
習慣化されると、貯金は面白いようにできるようになる。
本書の中で、「私たちは、私たちが思っている以上にリッチだ」という気づきがあった。
不必要にお金を垂れ流す習慣が、私たちをリッチな感覚から遠ざけている。
お金持ちになるために必要なファクターは、どうやら収入の多い少ないよりも、お金を流す習慣(使い方)の方に問題があったからだということを考えさせられる話でした。
コーヒー1杯で本当に何かが変わるとは思っていないけれど、習慣化の大切さには、痛感させられる。
「コーヒー1杯が、10年後に200万円と言われても・・・。」
その気持ちわかります。
コーヒー1杯をやめれば本当に10年後に200万円が貯まるなんて、実際のところ思っていません。
そもそも10年後に、そんな明確に、あのコーヒーをやめたおかげで200万円が貯まったかなんてことわかるとは思えません。
結局の所、コーヒー1杯という話は、ものの例えであって、重要なことは、不必要なものへお金が流れ出て行く『習慣を変える』ということに尽きるのだと思います。
ただ、習慣を変えることは、人にとっては、とても大きなエネルギーが必要になってきます。潜在的に、心の底から望んでいる。『本当の夢』でも見つけないと、なかなか変えられるものでもありません。
本書の物語の主人公は、悲しい出来事ともに、その『本当の夢』を見つけることができた。それこそがこの主人公の一番の幸運だったのかもしれない。
『本当の夢』を見つけるというのは、なかなか難しいことだと思います。実際に『本当の夢』なんて持って生きている人は、ほとんどいないのかもしれません。
その『本当の夢』を見つけるために思うこととして、十分な事前知識と夢に対する意識があるかどうかで、大きく違ってくることがあると感じています。
『行き先がわかっていなければ、望まないところにたどり着くかも・・・。』
本書の中の大切な言葉と思われる一文ですが、本書の主人公は、その行き先にたどり着くための必要な知識を得、そしてなにが大切かを意識していることで、たまたま悲しい出来事がきっかけとなって、本当の自分に気づけたのかもしれない。
習慣化への道のりはとても険しい。でも、一度習慣化されれば、もう勝手に目標に突き進んで行くことになる。
『シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。』
という故スティーブ・ジョブズの名言がありますが、このシンプルには、習慣化も当てはまるのではないかと思っています。
スティーブ・ジョブズといえば、毎日同じ服を着ることで有名でした。
もしかすると、これもシンプルの一つであり、なおかつ習慣化の一つだったのかもしれません。