賢いからお金持ちになれるわけではない?

お金の話は、数理的に考えるのが良いと思われている気がします。ファイナンシャルプランナーなどが、数字でシミュレーションを行い、数値として導き出されたもので、合理的に判断する。これが、正しいお金の考え方だと思ってはいないでしょうか?

住宅ローンの返済計画書をできるだけ詳細にして作ったり、リスクを統計的に数値化して投資の判断に使ったり、高度な数学や会計の知識などを使って緻密に判断すればするほど、賢い選択ができるようになると思われているように感じています。

でも、実際にはそんなことはない。

ある投資家は、「そもそもそんなにお金について賢いというのなら、なぜ自分よりもお金持ちじゃないんだ?」と言っている。

『お金についての賢さ』というのは、頭の善し悪しだけで判断ができるようなものではないということです。

世界的にも有名な投資家ウォーレン・バフェットも、お金については、「IQの高さよりも、忍耐力の方が重要な資質だ」と言っています。

お金の使い方には、数字ではない、もっと違う力が働いているということを私たちはもっと知らなければいけません。

このことに気づくことは、とても重要なことだと思います。

お金との関り方の基本。

たまたまお金持ちになっても、そのままお金持ちであり続けられない人がいる。

十分な収入があるのに、貯蓄が出来ていない人がいる。

投資や資産形成へ向けての計画を立てるのは上手なのに、続けられないのは何故?

投資で儲かるといわれる、本当の要因は何なのか?

貯蓄することが大切だと言われる、本当の意味とは?

こういう話は、分かっているようで、案外わかっていないものです。

そしてこれらの話の意味が見えてくると、お金というものの見え方が変わってくる。お金というのは、モノではなく、私たち自身を鏡に映したようなものなんだと気づきます。

さらにそれは、私たち個人だけの話ではなく、社会や国、政府、株式市場といったところででも、似たような傾向が見られます。

お金とは、なんとも不思議な存在です。

この本ででてくる話は、そんなお金についての話です。

この本を読んだ人の中には、お金に対する価値観が変わったと感じた人もいるのかもしれません。