とても良い本でした!
「よりよい人生って何だろう?」、誰もが一度は考えたことがあるかと思います。
そして、よりよい人生を送るための考え方や発想法というのは、様々な書籍になって売られています。
そんな人生を考える本の中でも、この本は秀逸ではないかと思いました。
最初は、著名投資家のバフェットやマンガーの言葉が頻繁に登場してくるようなので、投資の参考にと思ってなんとなく手に取ったのですが、投資とは関係なく、とてもためになる本でした。
バフェットやマンガーを抜きにしても十分に楽しめる本です。
よりよい人生の考え方と、バフェットなどの優秀な投資家たちの考え方には、近いものがあるのかもしれません。
そもそも、私たちの生きている世界、つまり人生は、不確実な世界だと言えます。
私たちは、案外、計画通りに人生を送っているつもりなのかもしれないけれど、実際はそうではありません。
「自分の力でこの世を生きている」とか、「運命というものに導かれて生きている」といった考え方は、完全に的外れで、偶然というものに大きく左右されているという事を忘れてはいけません。
私たちの生きている世界や人生は、私たちが思っている以上に「偶然」というものに支配されている。
「偶然」を学ぶことが、人生を学ぶことに繋がる?
バフェットの「卵巣の宝くじ」という言葉が、この本の中で何度も登場してきますが、私たちは、生まれてきた時点で、その環境のほぼすべてが偶然でできています。
その国、その時代、その家族、その家系、それらすべてが、私たちにどうこうできるものではなく、偶然でしかありません。
私たちは、もっと「偶然」というものを理解し、人生の考え方にその「偶然」の扱い方を取り入れなければいけない。
よりよく生きるという事は、「偶然」というものとどう付き合うか、なのかもしれません。
その点で、著名な投資家たちは、「偶然」というものを常に意識していて、その「偶然」とうまく付き合っていくことで、投資が成り立っているということをよくわかっているようです。
私たちは、「偶然」と上手く付き合う術を学ぶことで、「よりよく生きるコツ」を学ぶことに繋がってくるようです。
この本の良かった点は、根拠のない根性論や経験則だけでなく、心理学などの学術的な視点からも、よりよく生きるヒントを与えてくれていることです。
本書は、人生と偶然のつながり、偶然というモノの考え方、付き合い方、より良い人生を歩むための指針として、とてもいい本でした。