素粒子?、難しそう、だけど面白そう。
素粒子という言葉だけを聞くと、「なんだか難しそうな話だな」と思うのが、普通の感覚だと思います。
そしてその感覚は正しくて、私たち一般人にとっては、実際にとても難解な話が多い。
この小難しい素粒子の話を、本書ではわかりやすく説明しようとしています。しかし、私の頭では、「?」となってしまうところは、少なくなかった。
でも、小難しい話なのに、なぜか『面白い』と感じる。
素粒子を学んで、「この世界がどうなっているのか」、「どうやってできているのか」、そんなこと知らなくたって、私たちの日々の生活に、全く影響ありません。
でも、読むたびにふつふつとわいてくる『好奇心』。ちゃんと理解できていなくても、「不思議だな」とか、「へぇ~」と思うだけで、なんだかこの素粒子の世界が面白く思えてくる。
本書の中でも言っていましたが、フィクションの物語なんかに頼らなくたって、現実だけでも十分に不思議だし、面白いものなのかもしれない。
まさに「事実は小説より奇なり」。
物理学アレルギーなんて考えず、フィクションの話を読むつもりで、世の中の「不思議なもの」に触れてみるのもいいのではないでしょうか?
学校で教わる話はつまらない。
「学校で教わる話のほとんどが、厳密には間違っている?」、ということを、本書を読むとより感じます。
私たちは、小中高と学校の授業で教わることは、真実だと思って教わってきましたが、より詳しい世界のことを知ると、学校で習ったほとんどのことが、厳密には間違っていることがあるんだということを実感します。
昔学校で、最小の粒子は『原子』だと教わった。「スイ・ヘー・リー・ベー・・・・」と覚えさせられたことを思い出します。
でもそれは間違っていた。実際、学校でも陽子や電子の存在は話に出ていました。今思えば、陽子や電子の話がでてきている時点で、物質を形作るのに、『原子』よりも小さい存在があることがわかっていたわけです。
正直、変な話だと思っていました。
そして、今はそれらを『素粒子』といっていて、陽子、電子、という以外に、いろんなものが見つかっている。
さらに言うなら、その『素粒子』によって、さまざまな原子の性質を生み出しているのだそうです。
さらに、ニュートン力学ももうずいぶん古い理論だということも既に当たり前になっているのに、学校では、世界はニュートン力学でまるですべての現象が説明できるかのように授業を受けていたように感じている。
思えば、学校の授業では、アインシュタインの相対性理論のことについても、なにも触れていなかったように思う。
このアインシュタインの相対性理論という考え方は、私の平凡な頭では、まるでフィクションのような話に聞こえますが、この相対性理論こそが今この世界を形を説明するのに、一番合っている理論なのだそうです。
そして、この相対性理論と量子力学、これによって、ニュートン力学を正しく上書きすることもできるのだそうです。
学校で習う、物理学のほとんどは、このニュートン力学だと思われます。
学校では、ニュートン力学こそが、物理学の基礎であるかような教わり方をした印象がありますが、実際には、もうすでにニュートン力学は物理学としては、時代遅れなのかもしれません。
相対性理論や量子力学、どっちも直感的に理解するには難儀しそうな話で、まさに「不思議な世界」でした。でも、その「不思議な世界」が、現実だというのですから、これもまた何とも言えない不思議な話です。
この本を読むにあたって、この本に書かれたすべての話を理解できなくたっていいのかもしれない。ただ、世の中の『不思議な現実』に触れることで、知的好奇心を刺激されることが大切なのかもしれません。