サラリーマンも法人化(会社)?

法人化と言われても、ピンとこない人の方が多いのかもしれませんが、間違いなく法人化することにメリットはあると言えます。

この本では、たとえサラリーマンであっても、法人化をすることで、雇われるだけの人生とは違う人生を歩んでいこうとすすめています。

今の時代、『雇われる』という意識だけでは、生きていくのが難しくなってきたと言われています。就職氷河期の時代を経験したことのある自分にとっても、この本の最初の章は、身に染みて感じるものがありました。

結局サラリーマンという雇用形態であったとしても、『雇われる』という気持ちではなく、『独立』という気持ちで仕事と向かい合う事が大切になるというのは、今の若い世代ほど強く感じていることなのかもしれません。

そして、『独立』の一つの形が、『法人化』つまり会社を作ることです。

サラリーマンであっても、今は給料という形で収入をもらっていますが、その収入を給料ではなく、自分の会社の売上としてもらったっていいではないかと本書では提案しています。

自分が会社に貢献した売上や利益に応じて、会社から収入を得ている。考えてみれば、それは一人のサラリーマンであっても、一つの会社であっても同じ事です。

そこで、この本で出てくるのが、『マイクロ法人』という提案です。

マイクロ法人とは、自分一人が株主(所有者)で自分だけが社長であり社員である会社。なおかつ、個人事業ではなく、法人化する。そうすることで、魔法のようにいろんなメリットを受けることが出来るようになります。

この本では、その仕組みやノウハウをいろいろ紹介しています。

法人化することで、どんなメリットがあるのだろうか?

まず、法人化することで、税金の面で有利なことが多々あります。本書自体は、2010年ごろの話であるため、多少なりとも今の税制と違うところはありますが、大枠は一緒です。

法人化することで、税金の種類が変わります。サラリーマンや個人事業の時の税金は、主に所得税という税金が課せられることになりますが、法人になると、法人税という税金に変わります。

そして、法人を設立することで、一つの収入を法人と個人で分け合うことができるようになります。さらに、収入を分け合うことで、法人と個人の全体での税額を減らすことも可能になります。

個人事業でも、収入を家族で分け合うことで、世帯単位での納税額を減らすことができますが、さらに法人を設立することで、その家族にプラスしてもう一人(法人)が加わることになり、さらに節税のメリットがでてくることになります。

このように一つの課税対象を分散して、頭数を増やすことで税額が減る効果のことを『所得の分散化』と言います。

他にも、法人化することで、税金の面でさまざまなメリットがありますが、詳しい話は、本書を読んでみてもらえればと思います。

法人設立なんて、とんでもない?

ところで、法人の設立なんてこと、簡単にできないことなのではないかと思っている人もいるかもしれません。

自分で会社を作って経営者になるなんて、とんでもない事なのではないかと思われている感じがしますが、実際には、法人を設立するだけなら意外と簡単できてしまいます。

株式会社といった法人の組織形態にこだわりを持たなければ、10万円以下の費用で、法人を設立することも可能です。

サラリーマンがマイクロ法人を作るというのは、そんなに難しい事ではありません。

問題は、会社に副業禁止などの就業規則があって、たとえマイクロ法人だったとしても、他社の役員を務めることに反対されることです。

それでも、会社に何時から何時まで拘束されて『勤める』というのではなく、仕事をすることで収入を得ようという意識をもつことや、税制面での様々なメリットが利用できることを考えると、マイクロ法人化には良いことが沢山あるのかもしれません。

本書では、日本国民みんなが『マイクロ法人化』するといいと言ったりしていましたが、その考え方も、あながち悪いものでもないのかもしれません。