アクティブファンドよりも、インデックスファンド?

投資信託の真実として、金融庁のレポートにも、アクティブファンドの約7割がインデックスファンドに負けている(運用期間10年)と載っていました。また、このアクティブファンドがインデックスファンドに負ける傾向は、日本に限らず世界的に見られる傾向だとも言われています。

つまり、株式などの金融資産での運用には、投資に詳しいプロに専門家らしい運用をしてもらうよりも、最初から平均値狙いに徹した方のが、運用効率は良いということになります。

確かにその通りだと思います。この点については、私個人の意見というだけではなく、ウォーレン・バフェットなどのたくさんの著名投資家の人たちも認めている話です。

そのため、「資産運用をするなら、インデックスファンドでやると良い」という認識になっているようです。

また、「株式投資は20年以上投資を続ければ、損することがない。」という話を聞くこともあります。比較的株式投資に詳しくない人の中にも、どこで知ったのか、このような話を口にするのを聞くことがあります。

つまり、「株式投資は、長期で取り組めば必ず儲かる。」、そして「株式投資をするなら、インデックスファンドが間違ない。」、という話をくっつけて「インデックスファンドなら、大丈夫。」という話になったのではないかと推測しています。

本当にインデックスファンドなら大丈夫?

投資の神様と言われている著名投資家のウォーレン・バフェットの名言に次のようなものがあります。

『波が引いた時に初めて誰が裸で泳いでいたか分かる』

先ほどの、「株式投資は、長期で取り組めば必ず儲かる」という話と、「インデックスファンドなら、負けはない」という話を合わせると、確かに「インデックスファンドなら必ず儲かる」という論理になってくるのかもしれません。

そしていつしか、「株式投資に、損するリスクはない。そして上手くいけば大きく儲かる。」と認識されてきているようにも感じられます。

確かにその通りなのかもしれない。けれど、矛盾しているようにも感じるかもしれませんが、結論として「株式投資には、リスクがない」と考えてしまっていることに、問題はないのだろうかと疑問を感じます。

「この世の中に、フリーランチ(ただ飯)はない。」というのは、自然界の法則のような気がしてなりません。「全く損するリスクがないのに、大儲けできる株式投資」という発想は、このフリーランチそのものです。

どこかに落とし穴がある。そう思わないではいられません。

「損するリスクを感じながら投資をするから、時々儲かるときがある。」、そういうのが本当の投資なのではないだろうかと思うものです。

続けられることが一番のポイント

結論から言えば、「インデックスファンドなら大丈夫」という事はありません。

最終的には、インデックスファンドかどうかよりも、続けられるかどうかの方が大切なことになってきます。どんなに含み損が発生しても、あきらめずに何年も持ち続ける、もしくは、ひたすらにインデックスファンドを積立で買い続ける。

「昨日も下落した、今後はさらに下落しそう、今買えば、買えば買うほどどんどん含み損が増えていくことになる。」、そんな相場の中でも、心揺さぶられることなく、機械的に買い付け続ける。これができるかどうかが大きな違いになってきます。

これができる人ならば、インデックスファンドでなくても、うまくいく可能性はとても高いと思います。

投資で最も重要なことは、心理的なサポートです。なにをやっても上手くいかない時でも、決してあきらめずに続けられるのか、これが一番重要なことです。

インデックスファンドかアクティブファンドかの問題は、二の次です。

増えていく含み損を見ながら買えるようになるためには、「なぜその価格で買ったのか」、「なぜこれを選んだのか」、「この商品のことが好きなのか」、こういった理屈ではない心理的な理由付けがないと、なかなか続けられないものです。

「大丈夫だと思ってインデックスファンドを選んだ」この程度の理解で、損失が膨らんでいくインデックスファンドをさらに買い増していこうという勇気を出せるのだろうか?

おそらく無理だと思っています。

「インデックスファンドを買うという事はどういうことなのか」、「インデックスファンドで損してもいいと思えるぐらいインデックスファンドのことが好きなのか」、そういう精神的な裏付けを持たなければ、数字で提供された理論通りの結果を得ることは、私たち人間にとってはとても難しいことなのではないだろうか。

リスクある資産で運用するというのは、「○○なら大丈夫」程度の安易な気持ちで行うべきものではないのかもしれません。